自己破産後に住宅ローンは可能?自己破産のデメリットなど徹底解説!

「自己破産」という言葉を聞いたことはありませんか?

これは裁判所の手続きにしたがって借金返済が免除されるという制度です。借金に困っている人にとっては最後の手段と言われています。

しかし、

・自己破産をしたら、新しくカードを作ったり、ローンを組んだりできなくなってしまうのでは…?

と不安に思う方も少なくないと思います。

そこで、今回の記事では

・自己破産をした場合、住宅ローンを組むことはできるのか。

・自己破産をした場合、住んでいる家はどうなってしまうのか。

2つを重点に解説させていただきます。

自己破産とは

まず「自己破産」という言葉自体は聞いたことがあっても、具体的にどういったシステムか分からない…という方もいらっしゃるでしょう。

そういった方のために、以下ではそもそも「自己破産」とはどんな手続きで、どのように進められていくかについて簡単に説明いたします。

自己破産ってそもそも何?

自己破産とは、借金を返しきれなくなった人が裁判所に申請し、残っている財産を借入先に分配して、それでも返しきれなかった分は免除してもらう、という手続きです。

基本的には、税金といった一部の例外(非免責債権といいます)を除いた全ての借金を免除してもらえます。

自己破産にも条件がある?

ただし、誰でも簡単に自己破産で借金から逃れることが出来るわけではありません。

まず、自己破産について定めた法律である「破産法」第151項には、

“債務者が支払不能にあるときは、裁判所は(中略)破産手続を開始する。”

と書かれています。つまり、「支払不能」な状態でない限り自己破産はできないのです。

支払不能とは、借金の返済能力がないことを指します。以下で詳しく解説いたします。

返済能力がない

まず、自己破産をするには「どうしても借金が返せない」という状況が必要です。

そうでない人のために「借金をチャラにできる制度」が簡単に利用されてしまうと、お金を貸す側は大変なことになってしまうからです。

「返済能力がない」というのは、働いていなくてお金がない、または給料が低くて借金返済に間に合わっていないような状態を指します。

手取り月収20万円のAさんを例に考えてみましょう。彼には300万円の借金があります。

この借金の返済をどのくらい待ってくれるかは借入先によってまちまちですが、一般的に「36か月(つまり3年)で支払えるかどうか」というのが1つの基準になっています。

(この基準は25年で振れ幅がありますが、ここでは3年で考えていきます)

そのため、300万を36で割った額…約84000円を毎月支払えるか?ということが判断基準となります。

ところがAさんの場合、手取り20万円から家賃や食費、水道光熱費といった月々の支出を差し引くと、5万円しか残りませんでした。84000円を下回ってしまいました。

これでは36か月払いでは借金を返せないと判断されることになります。

または具体例のAさんと違い、働いていないのであれば、返済不能と判断される可能性はかなり高いでしょう。

免責不許可事由に該当しない

次に破産法の第2521項には

“裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。“

と書かれています。つまり、「次の各号に掲げる事由」(これを「免責不許可事由」と呼びます)に該当してしまった場合は、免責許可…借金をチャラにしてもらうことができないということです。

「免責不許可事由」には、ギャンブルや浪費で借金をした、などといったことが挙げられています。

もっとも、破産法の第2522項には、

“前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。”

とも書かれています。つまり、免責不許可事由に該当していたとしても、裁判所が「これはしょうがない」と判断して免責許可、つまり借金を帳消しにしてくれることも多くあります。(これを「裁量免責」と言います)

免責不許可事由には、「裁判所に対し、ウソの報告をしたこと」などといったことも挙げられているため、「ギャンブルで借金をしたことは恥ずかしいし言いたくないな…」と思っていても、正直に伝えることが重要になります。

実際、ギャンブルや浪費が原因であっても、少額であれば普通に免責許可が下りるケースもあるのです。免責許可される割合は95%にまで上ると言われています。つまり、殆どの場合、免責されないことは無いのです。

 

自己破産のデメリット

ここまでの説明を聞いて、「自己破産をすれば、借金がなくなるなんてラッキー!」と思う方もいらっしゃるかと思います。

しかし、自己破産にもいくつか見逃せないデメリットがあります。以下に紹介していきます。

車などの財産がなくなる

自己破産の申し立てをすると、20万円以上の財産は差し押さえの対象となってしまいます。

特に自動車ローンがまだ残っている車は、まだ所有権はローン会社の方にあるため、確実に差し押さえられてしまうでしょう。

しかし、自動車ローンを払い終わっており、また長年乗っているなどして、価値が20万円よりも下と査定されれば、手放さなくても良いかもしれません。

新しくローンを組めなくなる

これは自己破産に限った話ではありませんが、借金を返すのを待ってもらうために、破産や再生、または任意整理といった手続き(これらを「債務整理」と呼びます)を行った場合、新しくローンを組めなくなる、クレジットカードを作れなくなる、といったデメリットが発生することがあります。

「ブラックリスト」という言葉を聞いたことはありませんか?実際にこのような冊子が存在するわけではありませんが、債務整理の手続きを行った場合、信用情報機関という所にその記録が残ります。

そして、ローン会社や消費者金融は、お金を貸す際に信用情報機関で記録されている情報をチェックします。「この人は今まで借金で問題を抱えたことはないかな?」と確認するわけです。

そして、今までに問題があったことが記録されている場合は、高確率でお金を貸してくれない、ローンを組んでくれない、といった事態になるわけなのです。

もっとも事故情報が登録されている期間は510年と言われていますので、それ以降は新しく借り入れを行うことは可能となります。

【信用情報機関】

株式会社シー・アイ・シー(CIC

日本信用情報機構(JICC

全国銀行個人信用情報センター(KSC

特定の仕事に就けなくなる

自己破産をした場合、ある特定の仕事はできなくなってしまいます。(これを「資格制限」と言います)

例えば以下のような仕事です。(代表的なもののみ挙げさせていただいております)

・法律関連の職業の一部(弁護士、司法書士、行政書士など)
・警備員、警備業者

・金融関係の仕事の一部(貸金業者、質屋など)

機密情報(他人の個人情報など)を扱う仕事に多い傾向があります。

もっとも、破産申請期間中は当該仕事ができなくなるだけで、手続きが終了すれば仕事は再開することができます。

連帯保証人がいる場合、連帯保証人に支払い請求がされる

破産をしたとしても、あくまで破産した本人の借金が帳消しになるだけで、その連帯保証人の支払い義務は変わりません。

そのため、もし連帯保証人がいる状態で破産した場合、その免除された借金は全て連帯保証人に返済義務があることになります。

連帯保証人がついている場合に自己破産をするときは注意が必要です。

自己破産後に住宅ローンが組めるか

先ほども説明した通り、自己破産をした後は事故情報が登録されるため、破産後すぐにはローンを組むことは出来ません。

しかし、事故情報が消去された以後はローンを組むことが出来るようになります。

以下では、その際のコツ等についてお伝えしていきます。

自己破産後にローンを組むコツ

破産してしまったら、ローンを組めなくなるのでは…?と不安になる方も多いと思いますが、前述の通り、方法が全くないわけではありません。

信用情報機関に確認する

信用情報機関に連絡することで、事故情報が消去されているかを確認することができます。

消費者金融から借入れした場合は、JICCへ。クレジットカードによる借入れの場合は、CICへ。銀行から借入れをした場合は、KSCにそれぞれ確認することとなります。

確認方法は各機関で異なるため、しっかり調べる必要があります。

自己破産していた時の金融機関で借り入れをしない

事故情報が信用情報機関から消えていたとしても、借入をした金融機関では社内情報として残っている可能性があります。

そのため、破産後にローンを組む場合は、以前借り入れをしていた会社は避けることをお勧めします。

クレジットヒストリーを積む

クレジットヒストリー(クレヒス)という言葉を聞いたことはありますか?

これはクレジットカードやローンの利用履歴のことを指します。クレジットカード等を利用していた場合は、必ず利用履歴が信用情報機関に記録されることになります。

しかし、破産後にクレジットカード等を全く利用していないと、その間数年間のクレジットヒストリーは真っ白な状態となります。

この場合、事故情報が消えた後にローンを組もうと思っていても、「クレジットヒストリーが数年間真っ白ということは…過去に何かトラブルがあったのでは?」と疑われてしまい、審査が通らなくなってしまう可能性があるのです。

そのため、事故情報が消えた後に、いきなりローンを組もうとするのではなく、その前にクレジットヒストリーを作ることをお勧めします。

その際に良い手段とされているのが、携帯電話の分割払い購入です。

携帯電話の分割払いにも、審査があり、利用した場合にはクレジットヒストリーが残ります。しかし、その審査基準は比較的緩いため、足がかりとして最適と言われています。

家族名義でローンを組む

また、自分名義ではなく、家族の名義でローンを組むという方法もあります。

事故情報に登録されているのは、あくまで破産した本人だけであり、家族は登録されないからです。

もっとも、借入先(特に審査が厳しい銀行等)によっては審査の際に家族の信用情報をチェックする可能性もあることには注意が必要です。

住宅ローンがある状態での自己破産について

先ほどまでは自己破産後に住宅ローンを組むコツについて説明いたしました。

以下では、住宅ローンを組んでいる状態で自己破産した場合はどうなるかについて解説をさせていただきます。

自己破産した場合の所有住宅について

自己破産をした場合、前述した通り20万円以上の財産は差し押さえられてしまうため、住宅ローンが残っているか否かに関係なく、住宅は処分されてしまいます。

もっとも自己破産をした場合は、上記の通り借金が帳消しとなるため、残った住宅ローンを払わなくてもよくなります。

住宅ローンの残りの額が、住宅そのものの値段よりも大きい状態(これを「オーバーローン」と呼びます)の場合、専門の業者に依頼して住宅を市場価格に近い金額で売るという「任意売却」という手段もあります。

この場合、住宅が競売にかけられるよりも高く売ることができることが多いため、自己破産をせずに借金が返せる可能性もあります。

どうしても住宅を残したい場合

しかし、住宅をどうしても手放したくない、という思う方も多いでしょう。その場合は自己破産以外の手続きで何とかする必要があります。

任意整理

こちらでは、弁護士等の法律の専門家が借入先との間に立ち、借金の返済額をゆるめてくれないか、といった交渉を行うこととなります。

あくまで借入先との間でのやり取りに終始し、裁判所は関わらないため、しっかり返済できれば住宅を処分されることもありません。

個人再生

こちらは破産手続き同様に、裁判所に申請して行う法的手続きです。裁判所や借入先に、「このような長期の分割払いなら返済できます」と返済計画を提示し、これが認められれば、その計画通りの返済を進めていくことになります。

個人再生には「住宅資金特別条項」という制度が設けられており、住宅ローンを組んでいる人は特定の申請をすることで、住宅を残したまま借金の返済を続けることができるようになります。

まとめ

今回の記事では、

・自己破産とはそもそも何か

・自己破産後に住宅ローンを組めるのか

・自己破産をした場合、住宅はどうなるのか

について解説させていただきました。

自己破産を検討している方は、まずは法律の専門家たる弁護士等に相談してみましょう。今の自分の状況においては何が適切なのか、ということを判断してもらうことができます。

借金が返させないけど、住宅は手放したくないという場合には、自己破産ではなく、任意整理や個人再生を検討するのが良いでしょう。

本記事の監修弁護士  前田 祥夢(東京弁護士会所属)

  

 

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