個人再生とは?4つのポイント

はじめに

債務整理をすると借金に対する悩みから解放される代わりに生活環境が大きく変化してしまうのではないかと不安に感じる人が多いと思います。
確かに自己破産であれば住まいが持ち家であるときにはそれを売却せざるを得ず、自動車などの高価な財産も手放さなくてはならないため、転居を含めてこれまでとは異なる生活になることもあります。

しかし債務整理がみなそういった大きな影響を与えるのではありません。不動産を含めた高価な財産を維持できる方法もあります。
その一つが個人再生であり債務を最大で10分の1にすることや、ローンの残っている住宅を守ることもできます。ここではその基本的な内容について見ていきます。

ポイント1~どのようなものか

企業の経営状態が悪化している場合に債務を整理して事業を復活させるための制度として民事再生手続きというものがあります。テレビや新聞などで企業が裁判所に対し民事再生手続きの申請をしたと報じられることがあるため名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
これは債権者の協力も得ながら一定の再生計画を作成し裁判所の認可を経て、計画に従い返済を行っていくことで再起を目指すものです。破産を回避することができるため事業の継続が可能となります。

これを一般の人にも門戸を開いたものが個人再生手続きです。
債務が完全になくなるわけではありませんが大幅に圧縮することができます。
しかも財産の処分が強制されないため不動産などの財産を手元に残すことが可能です。3年から5年程度の分割払いで返済していく扱いです。職業の規制などもありません。

特筆すべきことの一つとして住宅ローンを残すことができる点を挙げることができます。つまりローン付きの持ち家も手放さなくてすみます。

一つ気をつけなければならないのは手続きが2種類あることです。
小規模個人再生と給与所得者等再生という2つの選択肢があります。
後者は公務員や会社員など収入が特に安定している人が選択できます。債権者の協力がなくても利用できる利点がありますが一方で返済額が多くなりがちという問題も存在します。

一般的には返済額を小さくしやすい小規模個人再生がおすすめです。
ただし一定の債権者が反対すると利用できないという条件があるためそのようなときのみ給与所得者等再生にします。

ポイント2~メリット

他の方法との違い

債務整理の手段は他にもあるため個人再生がどのような点で優れているのか理解することが大切です。

任意整理の場合には基本的に元本を減らすことができず減額の効果は限定的ですが個人再生なら大きく減らすことができます(5分の1、ケースにより10分の1まで減らせます。)

また、法的な効力が認められているため裁判所の認可が下りれば債権者の協力がなくとも減額の効果が生じます。これに対し任意整理はあくまで話し合いによる交渉のため相手の協力が不可欠であり相手が応じてくれないのであればどうすることもできません。

自己破産では一定の職業に就けなかったり郵便物をチェックされたり旅行に許可が必要などさまざまな制限がありますがこのような制約がありません。

財産を処分する必然性がなく維持することも可能です。自己破産すると高価な財産は処分しなくてはなりませんがその必要がありません。不動産や自動車などを残すことが可能であり引っ越しなどを免れるため生活環境を維持しやすいといえます。

返済が滞っていると法的な手続きをとられるおそれが高まります。訴訟を起こされたりすでに債務名義を取得されていたりする場合には財産に対し強制執行が行われる可能性が高まっています。債務整理をする前に強制執行されてしまったのでは本来手元に残せるはずだった財産を失うことになります。
個人再生手続きを行うことで訴訟や強制執行を防ぐことが可能です。訴訟を起こされたり判決や公正証書を取得されたりしている場合には早急に弁護士に相談してください。

まだ法的な対応がとられていない場合であっても電話や郵便などによる督促を受けることで精神的に疲弊することになります。弁護士が依頼を受けた場合には受任通知を相手方に送付することで直ちに取り立てをストップすることができます。

住宅ローン特則

住宅の購入やリフォームにかかった費用についてローンで支払っている場合に、他の債務のみ減額してもらうことで住宅をそのまま残すことが可能です。ローンで購入した物は抵当権や所有権留保などの担保の対象となっていることが通常であり、返済できないのであれば本来所有権を失うことになります。自己破産ではこういった例外は認められていないため大きな特徴の一つといえます。
もちろん住宅ローンについては減額されないためこれまでと同様に支払うことになります。家は残しておきたいけれど債務全額を支払うのは厳しい、かといって任意整理では負担が大きすぎるようなときに有力な選択肢となります。

ポイント3~デメリット

一見いいことずくめのようにも見えますが利用できる条件や債務が完全にはなくならないなど注意すべきことも存在します。

他の方法との違い

債務が圧縮できるとはいえ返済義務が残ってしまうことが問題の一つといえます。原則として支払い義務を免れる自己破産と比べると見劣りすることも確かです。しかし任意整理と比べると債務の圧縮の程度が大きいため破産を回避しつつ負担を大幅に軽減したいときには有効な方法といえます。

任意整理の場合には債権者を選んで整理することが可能ですが個人再生だとそのようなことは認められていません。例えば、友人などを除外したいと考えても例外扱いは認められません。住宅ローンについては例外がありますが自動車ローンなど他のローンについては除外できません。勤め先から借り入れがある場合には債務整理の事実を知られることになります(家族などに弁済してもらうことで債権者から外すことは考えられます。)。

安定した収入がなければならないという要件があり誰でも利用できるわけではありません。そのため専業主婦・主夫のケースでは利用が難しいといえます。ただしパートやアルバイトをしているのであれば収入が安定している限り利用できる可能性はあります。
ほかにも住宅ローン以外の債務額が5,000万円までなど他の債務整理にはない要件があり利用できる人を制限しています。

小規模個人再生の場合には一定の債権者の反対があると利用することができません。もっとも実際は多くの債権者が同意すると考えられます。

官報に掲載されてしまうという点もデメリットにあたります。誰かに知られてしまう可能性がないとは言い切れないからです。もっとも毎日チェックしている人は少なく一部の金融機関などだけであり他人に知られるおそれは小さいといえます。

保証人がいる場合にも気をつけるべきことがあります。減額してもらえるのは債務者本人だけであり保証人の責任は一切軽減されません。しかもローン契約の中に期限の利益喪失条項が含まれていることが通常であり一括での請求がなされることになります。保証人も支払いが難しければ一緒に債務整理を検討します。任意整理なら保証人のいる債務を除外することが可能です。

一番の問題は手続きが複雑であることが挙げられます。自己破産も本人で行うことは難しいものですがそれよりもはるかに難易度が高いといえます。破産であれば管財人が手続きを行ってくれるのに対し、自分ですべて行っていかなければならないからです。
もちろん弁護士に依頼すれば本人に代わって手続きを行ってもらうことが可能です。債務整理の手段の適否を含めて弁護士に尋ねるのが大切です。

共通した不利益

個人再生固有の問題だけでなく他の手続きと共通した問題もあります。

代表的なものはブラックリストに載ってしまうことです。つまり信用情報機関のデータベースに登載されることになるのです。これにより新規のローンを組むことやクレジットカードの発行や更新が難しくなります。もっとも記録される期間は5年~10年であり永久にカードを作れなくなるわけではありません。

ポイント4~向いている場合

いくつもの債務整理の手段がある中で個人再生が向いているケースというものがあります。

特に、不動産などの高価な財産を残したい場合に利用価値の高い手段といえます。不動産を維持することができるため生活環境が大きく変わることを避けることができます。破産であれば転居を余儀なくされることがあるため家族の仕事や学校のことなども考える必要があります。
任意整理でも住居を守れますが元本を含めた債務の大幅な減額を望むのであれば最適な選択肢となります。
また、債権者の協力がなくても利用できる余地があるため、任意整理がうまくいかないケースでも有力な候補となります。

破産すると免責されるまでは警備員や宅地建物取引士など一部の職業に就くことができなくなるため、このような資格制限を受けたくない人にも向いています。会社の役員にはこのような資格制限はありません。ですが破産は委任の終了事由とされているため一旦は退任せざるを得ず再任のための株主総会の招集や登記が必要となることから、これを避けるため特に規模の大きな会社の役員であるときは個人再生も選択肢となります。

まとめ

  • 債務を大幅に圧縮し3年から5年かけて返済をしていく裁判所を通じた手続きです。不動産や自動車などの高価な財産を維持することが可能です。
  • 職業が制限されることはありません。
  • 債権者の協力がなくても利用できることがあります。
  • 訴訟や強制執行を防ぐことが可能です。
  • 手続きには小規模個人再生と給与所得者等再生という2つの種類があり前者のほうが支払額が少なくなります。
  • 住宅ローンを除いて特定の債権者を除外して整理することはできません。
  • 手続きが複雑であるため本人が行うことは現実的ではなく弁護士に相談することが大切です。

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